たかまるのツレズレ日記

主に読んだ本の紹介。他に興味関心事ができれば積極的に紹介していきます。

天命つきるその日まで 著:やなせたかし

週に二度はソラマチ内の紀伊国屋で本を探している。

そこでとある本が目に留まった。

一年前にお亡くなりになった、アンパンマンの作者、やなせたかし氏のエッセイ「天命つきるその日まで」。

 

やなせさんは満没94歳という長寿漫画家の一人。

しかしアンパンマンがヒットするまでは詩人・絵本作家などをしてほそぼそと活動し、70歳を過ぎたあたりで突然人生が変わるといった、まさに大器晩成型の著名人。

そんな人が93歳の時点で感じたことを綴ったエッセイがこれでした。

 

この本には「やなせたかしの健康の秘訣は?」といった健康の秘訣に関する内容はほぼ無く、この歳になって感じた(心や体)ことを赤裸々に語っているエッセイと解釈したほうがよいだろう。

「自分は短文作家」と語るように、エッセイも6ページくらいで簡潔にまとめられていて非常に読みやすい。

しかしその最初の出だしのほとんどが「僕はもうすぐ死ぬ」である(汗)

そこを起点として、自身の死生観、何故この歳までやってこれたか、これからの活動など、様々なことが語られている。

 

非常に面白いのは、よく眠ることが長寿の秘訣と語っていたこと。

かの長寿漫画家、水木しげる氏もよく寝、よく食べる人で御年92歳!
この人と一致している意見は「よく睡眠をとる」ことだそうで。

まとめサイトですが以下。


水木しげる「長生きしたければ寝ろ」 : ジーニアス速報

漫画では、手塚治虫氏・石ノ森章太郎氏が睡眠を疎かにしている点について喝を入れています。
睡眠を疎かにすると早死にしてしまうぞ!という分かりやすいマンガです。

いや、本当にその通りかもしれません。

その水木氏は、つい最近マックの「豚カツバーガー」を完食したことで話題になってましたほどまだまだ元気です(汗)

 

また、長生きした分だけ巡り合わせも多くなってくる。
早く命を絶つのは損だとも語っていますね。

当たり前のことなんですが、実際に93歳の視点から語られると重みが違います。

 

健康法については何も書いてないのか?というとそんなことはなく
毎日健康維持の為に腕立て腹筋などを欠かさずに行っているそうです。
50年間体重の維持をし続けたというのは、なかなかできることではないでしょう。

食生活も、自身が軽度の糖尿病であることから、血糖値を測っているそうな。
逆にこれでバランスよく食事が採れているのでしょうね。

 

書き始めが基本的に暗いのですが、最終的には「なんとかなるさ」で完結させており、やなせさんの生き方・人柄を垣間見ることができます。

気落ちした時など、この93歳の文章から感じるパワーをプラスにしていきたいものです。